研究室選択をお考えの皆様へ

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化合物を用いて生体機能を解明する

医薬品工学研究室では、天然物抽出や有機合成で得た生物活性化合物の機能を解明する研究を行っています。医薬品や化粧品は人々の健康や生活の向上に貢献していますが、それらに含まれている、ごく少量の活性化合物のはたらきによって効果を発現しています。しかしながら、抽出物や有機化合物はどんなものでもそのようなはたらきがあるわけではありません。医薬品工学研究室で携わる研究テーマは、化合物が機能を発現する仕組みを明らかにし、メカニズムに基づいてさらなる改良を加え、より良い化合物を創造する、やりがいのある仕事だと思います。

化学と生物とを共に深めることができる研究分野

医薬品工学研究室では、有機化学、分析化学、生化学、生理学、分子生物学などの広い分野の技術を駆使して、有用な化合物を創出しています。これらの分野について広く知識を蓄積することはもちろん必要です。しかし、勉強する目的が、得た知識を実験に活かしていくというアウトプットにある点が、これまで皆さんが取り組まれてきた講義とは大きく異なります。当然、今まで経験したことが無い作業が数多くありますので、楽とはいえません。また、化学と生物を高いレベルで身に付けるためには、多くの労力を費やす必要があります。ただし、苦労して得たそれらの知識は就職活動や将来の会社生活の中で、必ずや活かされることでしょう。

研究の面白さを感じてもらいたい

懇親会等で皆さんと話すと、将来「研究職」に就くことを目標とされている方が何人もいらっしゃいます。それは非常に素晴らしいことです。しかし、「研究職」に就く夢を実現することは同時にとても努力を要することでもあります。研究室に入った後に、研究のプロである研究職に足るレベルに2、3年で到達する必要があります。研究には、「知識」、「実験技術」、「論理的思考力」、そして「没頭できること」が必要です。これらをたった数年で身に付けるためには、情熱を持って取り組むことが必要不可欠です。そのために、遊びやバイトに費やす時間を捨てて、スキルを高める時間を確保する決断も必要な場合があります。こう言うと苦行のような印象があるかもしれませんが、当事者は何とも思っていないことが多いでしょう。なぜなら、自分の研究によって生み出される、これまで世界になかった新しいものを創りだすことは、他の何よりも達成感があるからです。その喜びを一人でも多くの学生さんたちと共有できることを願っています。

Q&A

Q.研究室で必要な知識はどのように学習すればよいでしょうか?
A.医薬品工学研究室の多くの研究テーマは、有機合成や天然物抽出により見出した活性化合物の生理活性研究や作用機序の解明研究です。従って、有機化学、生化学および分析化学に関する実験はほぼ全員が行うことになりますので、学部で学んだことを中心に、よく学習しておいてください。
Q.どの教科書を学習すればよいでしょうか?
A.大学院に進学し、専門性を活かす仕事に就くことを希望されている場合、学部で使用した教科書よりも詳しい教科書を一通り勉強することが望ましいと思います。詳しい学習を希望する方には、「レーニンジャーの新生化学」と「ブルースの有機化学」を勧めています。
Q.製薬会社に就職はできるでしょうか?
A.医薬品工学研究室に来たら必ず就職できるということはありませんが、配属される学生さんの多くは、もともと医薬品業界に興味を持っているためか、製薬会社、CRO(受託臨床試験機関)などに就職する方が多いと思います。研究室で医薬品の構造式の見方、薬物代謝、生理活性、統計に関する研究に触れる機会が多くありますので、就職後に役立つスキルを身に付けることができますし、製薬会社の研究員が当研究室の博士課程に在籍していますので、製薬会社の実状を知ることもできます。
Q.学部卒で研究職に就くことは可能ですか?
A.ケースバイケースです。実際に学部卒で化学系会社の研究職に就いた方もおられます。しかし、近年では大手の製薬会社は研究職の採用を博士課程修了者に限定しており、学部卒ではそもそも応募することすらできません。研究職で就職したい方には大学院進学を勧めています。
Q.研究室のコアタイムは?
A.研究室で決められたコアタイムは、10時~18時に設定しています。特に実験をする場合はこの時間内にしてもらいます。なぜなら、危険な化合物や高価な装置を扱いますので、事故が起こったら困るからです。事故の多くは教員がいない場合に起こっているので、事故防止のために時間をこのように設定しております。皆さんが就職すればほぼ同様の勤務時間で結果を出す必要がありますので、毎日ちゃんとこの時間帯に来て研究し、結果を出す経験をしておけば、社会に出た場合にも役立つと思います。
Q.研究テーマはどのように決まりますか?
A.皆さんの希望を聞いたうえで、教員が相談して決めることになります。
Q.他大学の大学院を受験することはできますか?
A.どこの大学院に進学するかは皆さんの自由です。他の方と同じように実験をしながら、勉強してもらうことになります。試験休みでの特別扱いはしておりませんので、関大を受験される方と同様、ほぼ1か月程度になります。
Q.どのような能力が身に付きますか?
A.日々の実験に関する議論を教員とすることやセミナー発表をこなすことによって、課題解決力やプレゼンテーション能力が身に付きます。ほぼ受け身となる講義と違い、研究室では1対1で双方向のやり取りをすることになるので、驚くほど能力が伸びますし、とても面白いと感じていただけると思います。

就職先

中外製薬(株)
武田薬品工業(株)
長岡香料(株)大阪工場製造部
キッセイ薬品工業(株)
マルホ株式会社
(株)不二家
ヒガシマル醤油
第一製薬(株)
鶴原製薬(株)
岩谷産業
ファイザー製薬(株)
小松市役所
日本食研ホールディングス(株)
マルコメ(株)開発部研究開発課
エーザイ(株)鹿島事業所生産部
関西大学化学生命工学部 特任助教
(株)不二家
日本ベーリンガーインゲルハイム(株)
イーライリリー
堺中郵便局
株式会社UNIGEN 品質管理課
丹平製薬
鳥居薬品
いかるが牛乳
北風と太陽
アストラゼネカ(株)
エイツーヘルスケア株式会社
三國製薬工業(株)豊中工場研究開発部
アストラゼネカ(株)営業本部セールスケイパビリティ部
田辺三菱製薬
アストラゼネカ(株)
千寿製薬(株)開発研薬理
泉大津市役所
アクセーヌ(株)
サンスター(株)
全薬工業(株)臨床開発部
㈱メディサイエンスプラニング
テルモ(株)技術開発
富山化学工業(株)製剤技術研究部
アース製薬(株)研究所
JRCファーマ株式会社
ヤンセンファーマ(株)臨床開発本部
日本精化(株)研究開発本部
東和薬品(株)
田辺三菱製薬工場(株)
大阪府警
ノバルティス
(株)プロテックス・ジャパン先端研究開発室
トヨタ自動車販売
日本精化株式会社 研究所
大阪市立総合医療センター
田辺三菱製薬
日本精化(株)
小城製薬(株)
株式会社ファルコバイオシステムズ
多気町役場
クインタイルズ(株) CR
ロート製薬
コアフロント株式会社
(株)ナード研究所 マテリアルサイエンス研究部
(株)アークレイファクトリー
株式会社アリミノ 研究開発
コスメディ製薬株式会社
イーピーエス株式会社
参天製薬 医薬事業部
エイツーヘルスケア株式会社 臨床開発部
全星薬品工業株式会社
株式会社MICメディカル
(株)片山化学工業研究所 技術開発部
クインタイリズ・トランスナショナル・ジャパン株式会社


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